活動報告

住宅の瑕疵担保履行法案で、参考人質疑に立つ 2007年5月

 耐震偽装問題において大きな問題となったのは、新築住宅の売り主が住宅の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うこととされているにもかかわらず、売り主が、倒産した場合などに住宅購入者が、極めて不安定な状態に置かれることでした。
 そのため、建設業者及び宅地建物取引業者に対して、新築住宅を売却する場合に、保証金の供託または住宅瑕疵担保責任保険契約の締結を義務づけ、消費者の保護を図ることなどを定める法律案が審議されています。
 審議の課程で様々な立場の方から意見を聞く参考人質疑が行われ、私が代表で質問に立ちました。

参考人は、
 社団法人住宅生産団体連合会 和田会長、
 弁護士・日本弁護士連合会住宅紛争処理機関検討委員会 金子委員長、
 慶應大学理工学部 村上教授、
 社団法人日本損害保険協会 吉田常務理事
でした。


薗浦 被害者にとって、一番問題になるのは資金だ。今回のスキームでうまくいくのかどうか、全員に伺いたい。

和田氏 良質な生産者というのは自己責任で、ちゃんとやっている。今回、供託制度とか保険制度をきちっとやることによって、十分機能するんじゃないかと思う。

金子氏 つくって売りっ放し、建てっ放しということじゃなく、今まで以上の厳格な検査をする。家というのは、できちゃうと外からは中が見えない。みんな見てくれで外観のいいものを買う傾向にあるが、一番大事なのは基本構造部分だ。制度の初めとしてはこれでやることに十分意義がある。

村上氏 現段階は大枠を示された。私はこれで大丈夫だと思っている。今後、政省令の細部の設計に入るが、その際に、保険料率とか供託金とか、何としても機能するように制度設計をしていただきたい。

吉田氏 今回の法律案で大枠が決まった。具体的な補償の内容云々に関し、最終的な形になっていない。今後、妥当な水準で決めていくということが重要だ。それ以上に、検査体制の充実にも力を入れれば機能する。

薗浦 今回の事件で、住宅全般に対する信頼が失われた。あくまで、業者がきちんと作るのが大前提で、保険制度というのはその次だ。モラルハザードをいかに防ぐかというための取り組みについて、和田参考人に伺いたい。

和田氏 基本的に住宅の生産者は自ら責任を持って事業をする。保険があるから何をやってもいいよというようなことになってしまうのが一番怖い。技術者もそういうことになる可能性だってある。根本は、住宅生産者が責任を持って徹底的にやる。保険で補うのではなく、まずそれが基本だ。それでだめなときは、保険制度を使うべきだ。

薗浦 保険事業として果たして成り立つのかという懸念がある。莫大なお金が補修、建てかえにかかる。保険料率が余り高いと多大な負担になる一方で、消費者保護ということを考えれば、保険できちんと全額支払われるような制度が必要だ。そもそもこれが保険として成り立つのか。

吉田氏 一番重要な部分は、悪質な業者をいかにこの保険のシステムから排除できるかということだ。故意、重過失の点だが、建築基準法あるいは建築士法等の改革により、以前のような状況は今後発生しないのではないか。検査の充実が、保険システムを実効あるものとして、かつ継続性のあるものとして保っていくためには極めて必要だ。

薗浦 今回も、いまだに耐震性の足りない建物に住み続けざるを得ない方が多数いる。モラルハザードが起こった場合に、果たして迅速な保険料の支払いというのが可能なのかどうか。また、裁判につながることもあろうかと思うが、その場合の制度設計についてはいかがか。

吉田氏 基本的な部分は、これから保険法人に設計していただく。ただ、おっしゃるとおり、紛争等も出てくるだろう。これは、専門家あるいは第三者の紛争処理機関等、きちっと制度上組み込むことで、迅速な保険金の支払いも可能になる。重過失、故意に関しては、基金等を使っててん補するという話になると思う。

薗浦 今、紛争それから迅速さという話が出たが、制度設計をする場合の注意点を金子参考人に伺いたい。

金子氏 それがこれからの一番の課題だ。査定基準、自動車事故の場合にはもうほぼ完成してでき上がっている。住宅の場合には、判例も十分できているわけではない。その査定基準、紛争処理基準をこれからつくっていく。評価住宅が2割程度普及し、土台はできている。やりながら運用を変えていくということで、次第にいいものができていく。

薗浦 和田参考人に伺いたいが、保険がモラルハザードにもつながりかねぬ。業者側にとっての保険のあり方というものはどういうものじゃなきゃならないのか。

和田氏 モラルハザードが起こらないようなことを、きちっと決めると、うまく運用できる。技術者が何でもいいから保険でということにならないように。保険の方が安くつくようなケースがある。そういうことをもうちょっと各事業者に対して指導を徹底していくことだ。


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