活動報告

米国訪問し、多くの議員と会談しました 2008年7月

我が国外交の基軸となる日米関係について、官邸とホワイトハウスだけの関係強化ではなく、議員同士の交流、相互理解を深めたいとの思いを以前から抱いており、志を同じくする木原せいじ代議士、松本洋平代議士と2泊4日の日程で訪米してまいりました。
ワシントン到着の1時間後には会談をするという非常にあわただしい日程でしたが、計10人の上下両院議員と会談でき、原油対策、拉致問題、原子力問題などについて、意見交換をすることが出来ました。要旨をご報告いたします。



リサ・マコウスキー上院議員(アラスカ州選出)

我々から若手の議員交流を通じて、日米間のさらなる関係強化に努めたいなど、訪米の主な目的を説明しました。
マコウスキー議員から、日米議会で公式に立ち上げた日米議員会議の日本側の参加者はベテランばかりであった。若い世代の交流が重要だとの認識が示され、我々も同意しました。
エネルギー問題について、上院議員より、米国はエネルギー危機を経験している。原子力はキーであり、原油の75%を輸入に頼っている米国は、エネルギーでの自主独立が必要だとの話がありました。
我々から原子力発電所について、柏崎原発の安全性、技術の高さについて説明しました。上院議員から日本訪問を計画しており、その際には、ぜひ柏崎原発を視察したいとの申し出があり、我々として協力を約束しました。
現実問題として、原子力発電がエネルギーを十分に確保でき、非常にクリーンなエネルギーであるとの認識で一致し、住民感情の問題、原発の定期検査などによる稼働率の低さなどが課題として挙げられました。
原油高については、上院議員から米国でも政治争点化しているとの指摘がありました。節約や再生に並々ならぬ努力をしているところであるが、国内生産を増やすなど長期的な取り組みしかなく、即効性のある策は現時点では難しいとのことでした。我々からも日本の原油高の現状について説明し、全世界での取り組みが必要であると話しました。
ねじれ国会について、我々から日本の現状を説明。上院議員より、米国も両院協議会が開かれる。そこで、法案の細かな修正が成され、成立が図られるとの話がありました。我々から、日本では両院協議会がセレモニーと化している状況の説明をしました。
最後に、両国とも大統領、首相の支持率が低く、立法府がより良い法案作成に大いに努力をしなければならないという認識で一致しました。


ダニエル・イノウエ上院議員(ハワイ州選出)

まず、イノウエ上院議員から、米国が大統領選、日本が総選挙を控え、両国とも難しい政治情勢にあるとの話がありました。我々からは上院議員が長年にわたって日米関係に尽力されていることについて謝意を述べ、若い世代の交流の必要性について話をいたしました。
その後、原油高について意見交換しました。米国では油の51%が車、12%がトラック、7%が飛行機と主に輸送で多くの燃料が使われているとの指摘があり、バイオ、電気など代替燃料についての話もありました。一方で、原油高について、短期的な処方箋を議論している。海底油田の発掘などの話もあるが、これは長期的な話であり、10年かかるとの話がありました。
大統領選については、オバマ候補が6ポイントから7ポイントリードしているが、非常に接戦になるだろうとの認識でした。副大統領候補の候補者像についても話があり、軍にいたマケイン候補との関係などから選ぶであろうとの話でした。
我々からオバマ候補の日米、米中関係の考え方について質問をしました。アジアのため、日米関係は維持、米国にとって最も重要な同盟である。他方で中国も見過ごせず、敵としての中国だと決定づけることは出来ないという話がありました。
我が国が導入を検討しているF22について、米国が輸出禁止規定を設けていることについても、意見交換をしました。上院議員から、中国の台頭を見据え、日本がこの戦闘機を欲しいのは分かる。公式なだけでも、日本とイスラエルから話があり、英国やフランスも興味を持っている。最終的には技術移転をするであろうが、その時期は分からないとの話でした。
我々から、上院議員の最終的には技術移転するであろうとの話に謝意と述べると共に、中国軍は急速に近代化し、空母の建造も始めていることを指摘。自衛隊の秘密保持、情報保全などに向け、努力することを約束しました。



デービッド・デービス下院議員(テネシー州選出)

下院議員より、米国に対する日本企業の投資に関して謝意がありました。
テロとの戦いについて話があり、イラクは今のところ増派が効いているとの認識。アフガニスタンについても意見交換しました。
我々から、拉致問題は我が国にとって、まさに現在進行中のテロとの戦いであり、同盟国として協力しほしいとの話をしました。下院議員から、朝鮮戦争で義理に父親が落命している。今アメリカの目は朝鮮に向けられているとは言えないが、自分は朝鮮問題をやっていくと、協力いただける旨の発言がありました。
経済については、日本からは直接投資が増えており、雇用が創出されているため、日本への懸念はないが、対中赤字が懸念されるとの話がありました。
我々から、安全性への懸念など日本国内での中国製品に関する国民感情などについて言及。米国内での中国に対する感情について質問しました。
下院議員より、ドルが弱いことが最大の要因であり、大統領がドルの弱体化について、十分な取り組みをしていない。メッセージを発信していないことを、議会の共和党は重視しているとの発言がありました。
下院議員より、石油やガスなどの資源について、国家として1つのパッケージとして捉えるとの認識から、仮称・エネルギーについての言い訳を許さないための法案を準備しているとの話がありました。大陸棚における採掘や食料の備蓄を崩さない形でのバイオ燃料の生産を目的としているとのことでした。
我々から日本の原子力発電の技術について説明し、クリーンエネルギーであることを指摘しました。下院議員より、米国も原発の発電比率をもっと高めるべきだとの話がありました。



チャーリー・デント下院議員(ペンシルバニア州選出)

主にエネルギー問題について、意見交換しました。
特に再生可能エネルギーと原子力発電について、関心が高く、ほとんどの時間をこの問題に割きました。再生エネルギーについて、値段はまだまだ原油の方が割安で、シフトするのは米国においても簡単ではない旨の話がありました。
原子力発電については、米国はこれまで、追加投資を行っておらず、海外、特に日本の知見が必要であるとの話があり、我々からできる範囲での協力を約束するとともに、日本の原子力レベルについて説明しました。
特にスリーマイル以来、米国民はリスクに関心を持っており、セーフガードが必要との認識でした。我々から柏崎などの現状、主要部分は大地震においても平気で、設計通り、制御できたことなどを説明。ぜひ来日して、そうした施設を見学してほしい旨の申し出をしました。



ボブ・ラタ下院議員(オハイオ州選出)

日米の選挙制度の話から始まりました。選挙区の広さや選挙区民の数、選挙制度などについて意見交換しました。
オハイオ州は前回の大統領選において、集計ミスなどが全世界で有名になりましたが、今回も大変な接戦になるだろうという認識でした。
原油高について、日本の状況について説明。米国での対策については、「天に聞いてくれ」との冗談交じりの回答でしたが、生産量の増大と使用の節約といった地道な作業しかないとの話でした。また、天然ガスや石炭などについても言及がありましたが、環境負荷が大変な問題になるという認識で一致しました。
我々から日本の原子力技術について説明。原発の利点などについても意見交換しました。
下院議員より、中国によって米国の雇用が奪われている旨の指摘がなされ、特に車の話においては、我が国が今後、中国に対してどう対抗していくのかとの質問がありました。
我々から日本の技術、特に環境技術のおける優位性や次世代型自動車開発について、申し述べました。さらに米国民は中国製の車を好んで買うのかと質問をいたしました。
下院議員より、質次第だが、中国はまず西海岸に進出してくる。また、安価であるので、米国経済の状況にも左右されるし、ドルが弱いことの対策もしなければならないとの話がありました。
我々から北朝鮮問題について言及。拉致、核、ミサイルはセットであり、我が国の国民は同盟国である米国の対応を注目していると申し述べました。
下院議員より、日米関係を全世界でより強固なものとするために、アフリカや中東における安全保障政策での協力が重要との話がありました。
潜水艦による追尾や軍事費の不透明さなど中国の軍事力についても意見交換し、日米が協力して対処しなければならないという認識で一致しました。
下院議員より、空軍も含め米軍の展開能力の重要性は認識している。米国は全世界への関わりを維持していくべきだとの話がありました。



ジム・マクダーモット下院議員(ワシントン州選出)

トーマス・ピートライ下院議員(ウィスコンシン州選出)

昼食を取りながらの意見交換。いわゆるパワーランチでした。議会制度についての話が主でした。米国では上院、下院の議決が違えば、そもそも採決すらしない場合もあるとのことでした。両院協議会は実際に法案修正を行う場。米国では数千本の法案が提出されるため、どの法案を審議するかから始まるうえ、委員会の下の小委員会もあり、小委員会での審議、採決、委員会での審議、採決、それから本会議というシステムだとの話がありました。
米国の上下院議員選挙の情勢についても話があり、基本的には民主党がさらに議席を伸ばすだろうとの認識でした。



デイナ・ローラバッカー下院議員(カリフォルニア州選出)

下院議員より原油高、環境問題などから日本の原子力におおいに期待しているとの発言がありました。特に高速増殖炉技術は日本だけが持っている。廃棄物の残らない技術である。古い原子炉には欠点がり、新しい原子炉の導入について、大きな関心を持っているとの話がありました。
我々から高速増殖炉のみならず、軽水炉についても我が国の技術は高水準であることを述べ、エネルギー問題を解決するため、一層の日米協力が必要だとの話をいたしました。
拉致問題についても下院議員側から言及があり、8月11日の後、どうなるか注目しているとの発言がありました。下院議員の拉致問題への取り組みに関し、我々から謝意を述べるとともに、今後の展開について意見交換しました。下院議員より、旧ソ連の脅威に比べて非常に小さな脅威であるが解決できないこと。世界に度胸を持った指導者がいないことなどについて発言がありました。
中国については人権蹂躙国家であり、現状の米政府の姿勢には反対しているとの発言がありました。長期的な世界の平和のためには日本との関係が重要であり、日米同盟が重要であるとの認識で、我々も同意いたしました。
今後、世界の利益のためには日本、米国、ロシア、インドがテーブルの4つの脚のように手を組むことが重要だとの発言がありました。



ハンク・ジョンソン下院議員(ジョージア州選出)

下院議員より日本の政治情勢、特に解散総選挙に関する質問があり、我々がそれに答える形で、意見交換がスタートしました。
下院議員よりインド洋などにおけるテロとの戦いについて、日本の協力について感謝する旨の発言がありました。我々からテロとの戦いについて、世界が協力すべきと話したうえで、情報提供などの面で、米側のさらなる協力を要請しました。
イラク問題については、67%の米国民がイラク戦争に反対しており、オバマ候補は16か月以内の撤退を公約しているとしたうえで、日本の関わり方も変わってくるだろうとの話がありました。
我々から日本の原油高と経済の状況について言及。下院議員より、米国も経済状況は複雑だ。原油高はしばらく続くであろうから、化石燃料の消費をいかに減らすかが重要だとの指摘がありました。バイオ、太陽光、風力発電について言及があったうえで、原子力については使用済み燃料の処理が問題であるとの話がありました。
我々から日本の技術について説明したうえで、高速増殖炉など新技術の開発も進んでいるとの話をしました。これに対して下院議員より、米国企業もそうした技術を利用すべきである。この分野の産業を加速させていきたいとの発言がありました。
パキスタンやアフガニスタン情勢について、下院議員より言及があり、我々からは北朝鮮の拉致問題についての協力を要請しました。下院議員からは、拉致問題については、米国民が詳細を知らないもの事実であり、議員自身は非常に重要な課題であると認識を持っているとの発言がありました。



ロブ・ウイットマン下院議員(バージニア州選出)

下院議員より、昨年12月に当選したばかりだが、アジアにおける日米同盟の重要性は十分に認識している旨の発言がありました。特に造船や鉄の価格も問題を研究しており、中国の動向を注視しているとの発言がありました。また、東シナ海のガス田について、日中はどうなっているかとの質問がありました。
我々からようやく一定の取り決めが出来たところであり、議論はこれからだ。米国は中国の資源買い占めなどについて、どのように考えているのかと質問いたしました。
下院議員より、エネルギー価格は最大の関心事項であり、原油の生産を増大させなければならない。中国、インドも含め世界全体で考えるべき課題であるとの話があり、我々から食料問題も含めて世界共通の課題であるとの認識で一致しました。
日米の選挙制度の意見交換も行い、とにかくカネがかかるという共通課題の話を行いました。米国では相手候補が弱い選挙区でも50万ドル、接戦の選挙区では200万ドル程度かかるという話で、我が国に比べても非常に高い状況でした。当選したばかりのウイットマン下院議員でも、インターンも含めて22人もの秘書を抱えているとのことでした。


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