活動報告

総務委員会で地上波デジタル放送について質問しました 2008年11月

衆院総務委員会にて、地上波デジタル放送の普及や、アナログ放送とのタイムラグ、海外展開などについて、鳩山総務大臣などに質問いたしました。その要旨を報告します。


薗浦 今日は地上波デジタルについて伺う。まず、総務省のアンケート調査で、地デジの受信機(対応テレビ)の普及が計画よりも遅れているという数字が出た。同じ調査で、たしか4人に1人の方が、まだ2011年にアナログ放送が終わることを知らないというデータも出ている。率直にどう思われるか、対策を考えているかということを伺いたい。

鳩山総務大臣 恥ずかしいことだが、私自身、総務大臣になったときに、アナログからデジタルへ移っていくことは知っていたが、アナログの完全停波が、7月24日という日付は知らなかった。全くアナログが完全に停波するということも知りませんでした。何か一部残るんじゃないかなと思っていた。実際、国民の方々とお話をすると、デジタルへ移っていくということは分かる。何かデジタルというのはいいことがあるんだということも分かる。しかし、アナログが完全になくなってしまうということについての認知度は、私はかなり低いと思う。広報宣伝はテレビ局にも随分お願いしておりますが、もっともっとやらなければいけないというふうに思っている。
9月の時点で、受信機の世帯普及率は46・9%で、我々の計画は大体5割ぐらいを狙っていた。正直言って、北京五輪を当てにして、デジタル受信機をみんな買ってくれるんじゃないかと思っていたが、ちょっと当てが外れた。しかし、実際普及している台数は、目標が4130万台だったところ、4225万台と上回っておりますから、この数字は悪くないと思っている。いずれにしても、最後は一部衛星に頼らざるを得ない。すべての家庭が地上デジタル波を受信できるように、国策として決めた以上、全力で頑張ってまいります。

薗浦 地上波デジタル放送というもののメリット、一方で、そのデメリットというものも少々はある。その認識はあるか。

鳩山総務大臣 メリットというのは、何といってもゴーストのないハイビジョンの高画質やCD並みの高音質の放送を楽しめる、データ放送、ワンセグというような新しいサービスが可能になる。あるいは、1つのテレビ局から何チャンネルも出て、それを一度に受けることができるとかある。また、電波がアナログに比べて有効に利用できるわけで、大体アナログで使用していた周波数の3分の1を節約することができる。それを携帯電話だとか安全情報とか、そうしたことに振り向けることができるということが最大のメリットではないか。
デメリットというのは余り頭に思い浮かびませんけれども、普及させるのがちょっと大変だというデメリットが一番大きい。それから、UHF(高周波)の電波は、直進性が強いから、回り込む、回折性というんでしょうか、これが弱い電波になりますと、やはり受信障害が出る地域が広がるということがあるのかもしれません。

薗浦 もう1つデメリットで危惧をしていることがある。アナログ放送とデジタル放送のタイムラグは、ご存知のはずだ。先般の岩手・宮城内陸地震、気象庁が緊急地震速報を出したが、デジタル処理の時間で、通常放送も遅れるが、警報の場合はさらに遅れる。1秒、2秒を争う速報が、アナログだと間に合った、火を消せた、だけれどもデジタルの場合だったら間に合わなかったということが起こり得る。どのように考えているのか。

鳩山総務大臣 地上放送は、緊急地震速報の提供に非常に重要な役割を果たすものだ。現在のデジタル放送では、この緊急地震速報を放送番組の映像に重ね合わせて伝送している。そのため、情報圧縮のデジタル信号処理に若干の時間がかかり、速報内容の視聴者への伝達に遅延が生じている。
緊急地震速報のより迅速な伝送の実現というのは極めて重要だ。遅延をできる限り短縮するために、情報処理の時間を低減するための高速の処理の研究開発に取り組んでいる。また、デジタル放送の民間規格の策定を行っている電波産業会あるいはデジタル放送推進協会に対し、例えば、緊急地震速報と映像情報を別々に放送するなど、デジタル放送の遅延の影響を受けない技術的手法の検討を要請した。年度内の取りまとめを目途に検討を進めている。

薗浦 努力はよく分かりました。新聞というメディアの特徴が記録性とか調査報道というものにあるとするならば、やはりテレビというのは速報性、すなわちスピード感というものが大きな武器だ。だからこそ、地震速報なんかもテレビでやる。
アナログより速報が遅いデジタルが始まってしまう。これは2011年までにキャッチアップできるのか。というか、キャッチアップをしてもらわないと困る。これは大臣が先ほどおっしゃった、国策としてやるべきではないかと思うがいかがか。

総務省 今の指摘だが、先ほど申し上げた伝送方式の実現を要請しており、今年度末に取りまとめられると、制度化するのに大体半年ばかりかかる、制度化された後、それを製品として具体化しまして、これが市場に出回ってきて普及すれば、解消に向かう、ある程度の遅延速度のおくれを取り戻すことができるようになると思っている。

薗浦 今から年度末に向けて取りまとめて、その後、半年で制度化をして遅延の解消に向かうというのは分かった。これまでに買った人、制度化されて新しい基準に合うまでに、買った人への対策という意味では、受信側、テレビのことだけでなく、送信側のことをもうちょっと考えてもらわなければならない。

総務省 指摘のように、既にテレビをお買いになった方もおられる。例えば、映像にスーパーインポーズする従来からの方式に加え、字幕機能の併用、速報内容を別途字幕データとして伝送するということについても検討していく。幾つかの方式を検討することで、指摘のような心配に対応していきたい。

薗浦 アナログの停止までにアナログ放送と同程度の速度で、デジタル放送においても速報が出せるということを、ぜひやるべきだ。
次に、日本方式の地上波デジタルというのは非常に技術的には優秀だ。先般、ブラジルが日本方式の導入を決めた。それまでには大勢の方が官民を挙げてブラジルに行き、お願いをし、そして導入をしていただいた。一方で、例えば、韓国がアメリカ方式を決めた。中東ではヨーロッパ方式が席巻している。日本方式の普及が遅れていると思うが、認識を伺う。

鳩山総務大臣 日本方式は、大変優秀なやり方だ。ワンセグができるのも日本方式だけだと私は聞いている。正直言って、日本方式、欧州方式、米国方式、これは今は陣地のとり合い合戦になる。これが国際競争力の問題にもなってくる。
指摘のように、ブラジルが日本方式に決めてくれたということで、今アルゼンチンとも相当交渉をして、大体話がまとまる。ただ、やはり日本方式を採用してくれと言うと、じゃ、日本企業への協力要請とか、いろいろある。正直言って、金がかかる事柄もあるが、日本とアルゼンチンとの協定が結べるのではないかというところに来ている。12月に協定が結べる場合には0泊4日で行ってきませんかという誘いも受けました。ちょっと遅れても、来月あたりには協定が結べるのではないか。
ペルーについては、この間麻生総理が行かれたときに相当話を詰めていただいた。フィリピンについても相当話を進めており、できる限り日本方式を採用してくれる国がふえることは、我が国の経済、国際競争力にとって大変重要だと思っている。

薗浦 私が2年前、ブラジルにお伺いをしたときに、ワンセグの日本のテレビ番組を録画していき、それをガルシア大統領補佐官に直接見ていただく機会があった。そのときにガルシアさんは、こんな小さな携帯電話で、これほど鮮明な画像が見られるとは思わなかったというふうに日本の技術力を大変高く評価をしてくれた。
その一方で、じゃ、日本方式を入れるからブラジルに日系企業の半導体工場を2つぐらいつくってくれないかということもあった。まさに大臣のおっしゃるとおりだ。
メーカーの人に話を聞くと、国際競争力、産業振興にプラスアルファをして、大量生産が軌道に乗れば、国内のものも非常に価格低下が見込めるんじゃないかという話をしていた。ぜひやっていただきたい。そこで、メーカーとの協力も必要になってくると思うが、技術開発などについて、リーダーシップを取る意思はおありか。

鳩山総務大臣 日本方式が世界に広がれば、その機器の生産数が増える。当然1台当たりの価格が安くなる。いろいろな家電メーカー等からも後押しを受け、日本方式の普及に努めていっている。


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