活動報告

安全保障委員会で、北朝鮮のミサイルと海賊対策の質疑 2009年3月

3月13日、衆院安全保障委員会で、質問に立ち、浜田防衛大臣、中曽根外務大臣と、北朝鮮の弾道ミサイル問題、わが国政府の対処方針、日米の連携、国際協調などについて議論しました。また、ソマリア沖の海賊への対処についても議論をいたしました。その要旨をご報告します。


薗浦 北朝鮮が人工衛星と称する物体の打ち上げ日程、それに伴う危険海域の指定をした。国際機関に通知をしたということだが、政府として、その事実を把握しているか。また、現段階で政府としてどういう対応をとっているかを伺いたい。

浜田防衛大臣 3月12日夜、国際海事機関から、日本を含む加盟国に対し、北朝鮮当局から試験通信衛星打ち上げのための事前通報があった旨の連絡があったと承知している。政府としては、たとえ人工衛星であれ、発射が行われた場合には、国連安保理決議に違反するものであり、地域の安定及び平和を損なうものであることから、北朝鮮に対して改めて打ち上げ中止を強く求めていく考えだ。防衛省としては、北朝鮮の動向については引き続き十二分に情報収集を行うとともに、事態に適切に対応できるように万全の体制を整えたい。

薗浦 弾道ミサイルと人工衛星というのは、ほとんど弾頭部分しか実際は変わらない。国際社会は、弾道ミサイルといい、北朝鮮は人工衛星と主張している。インテリジェンスにかかわる部分もあるので、細かい話はしにくいと思うが、ミサイルだという根拠があれば、できる範囲で示していただきたい。

防衛省 前回、テポドンが打ち上げられたときに、北朝鮮は衛星と言っていたが、衛星である以上は、それなりの実体というのがある。そういった点で、まず1つは大きな違いがある。ただ、上げられ方ということでいうと、軌道だけで、弾道ミサイルか、衛星打ち上げかは、なかなか簡単には判別できない。

薗浦 大臣から、北朝鮮への働きかけという話があった。日米韓3カ国については、共通認識、特に韓国大統領がかわってから、非常に3カ国の連携がとれ始めていると思う。だが、やはりかの国に対しては、中国、ロシアという国からの働きかけ、圧力というものも必要になると思う。政府として、中国やロシア政府への働きかけ等々は、今後考えているか伺いたい。

中曽根外務大臣 アメリカ、韓国、イギリスは我が国と同様な考えを持っている。たとえ人工衛星と北朝鮮が称しても、これは安保理決議違反。そういう判断だ。中国、ロシアについては、対外的に立場は明らかにしていない。そういう意味では、コメントは差し控えさせていただきたい。我が方は従来から、この両国に対しても働きかけを行っている。

薗浦 日本の領土もしくは領海に落下する、落下物が来ると判断した段階で迎撃するという方針で、よいか。

浜田防衛大臣 ミサイルであれ、ロケットであれ、とにかく我が国の領土、領海にかかわるものに関しては、当然、そういった対処をしていく。

薗浦 我が国がやるのであれば、イージス艦とPAC3というのが主たる迎撃手段だ。確認だが、米軍が日本の領土、領海に飛来をする物体に対し、迎撃することに関しては、法律とか条約上、何ら問題がないという解釈でよろしいか。

中曽根外務大臣 一般論として申し上げれば、米軍による弾道ミサイルなどの迎撃というものは、我が国の安全のために必要である、そういう我が国の意向を踏まえた形での協力として行われるものである以上、当然、国際法上は認められる。米国との協力は極めて重要で、さまざまなレベル、分野で、緊密に協議をしてきている。ただし、個別具体的な内容は、安全保障上の考慮にかんがみ、答えを差し控える。我が国の国民の生命財産に対する被害を防止するために、安保体制に基づいて、日米間で引き続き万全を期していくということだ。

薗浦 今回、北朝鮮のミサイルが打ち上がった段階でも、当然、日米の連携で対処をするという基本方針でよろしいか。

中曽根外務大臣 米軍による弾道ミサイルの迎撃は、我が国の安全のために必要である、そして我が国の意向を踏まえた形での協力として行われるものである以上、そのような米軍の行動は、日米安保条約上、これは第6条の施設・区域の使用目的に合致するものでありまして、何ら問題ないと思っている。

薗浦 日米でこれまでもいろいろ積み重ね、実験もやり、協議もやってきた。現実問題として、日本を敵性国家と表現し、ミサイルを持っている国があって、いざミサイルを撃つという状況だ。それに日米が、どう対処するかという意味で、連携とか実際の対処というものが大変問われるケースになる。自衛隊で今回のこのケースについて、シュミレートしたり、様々に検証したりすべきと考えるが、そういったような考えはあるか。

浜田防衛大臣 常々、日米間でいろいろな協議をし、あらゆる事象に対して考えて対処するということが当然のことだ。今回、どのような結果になろうか、今回の件にかかわり合いなく、いろいろな事例でそのようにしている。我々はいろいろな事象に対処するべく米国と議論していきたい。

薗浦 次に、今日発令された海上警備行動について伺う。我が国は、ペルシャ湾の掃海以来、これまで国際実績を積み上げてきた。インド洋の給油の話もあって、今回は海賊への対処ということになる。海賊への対処というオペレーションの意義づけをどう捉えているか。

浜田防衛大臣 本日、海賊対処のための新法が閣議決定された。この新法ができるまでの間、応急措置として、私の方から海上警備行動を発令した。日本関係の船舶を海賊行為から防護するために必要な行動をとるということで発令したわけだが、我が国にとって極めて重要な海上交通路に対し、我が国として対処するというのは極めて重要なことだ。
日本の海上交通路の確保、日本の船舶、そして人命、財産というものをしっかりと守るというのが大きな意義。国連でも決議があるということも含めると、国際協調の中でも当然重要な意味がある。極めて応急的だけれども、極めて意義のあるものというふうに考えている。

薗浦 今日からは警備行動。警備行動から新法になれば、また一段階高いステージということになる。新法の意義についても伺う。

内閣官房 我が国にとり、船舶の安全確保は極めて重要な課題だ。ソマリア沖、アデン湾で発生をしている海賊行為は、我が国のみならず、国際社会にとって緊急に対応すべき重大な脅威だ。
国連海洋法条約では、すべての国が最大限に可能な範囲で公海等における海賊行為の抑止に協力するということにされている。さらに、関係者や関係船舶の国籍を問わないと認められている。
このような状況及び国連海洋法条約の趣旨にかんがみ、我が国として、外国船舶を含め、海賊行為への適切な対処を図るために、法的根拠を定めるという意義を持っておると考えている。

薗浦 新法ができるまでは、我が国の護衛艦はいわゆる外国船舶を守ることはできない。自衛隊法を見ると、できるとは確かに書いていない。しかし、どこをどう読めば、外国船舶に対してそれができないと書いているのか、もしくは、昔の国会での局長答弁が、根拠になっているのか。現段階の解釈を教えていただきたい。

防衛省 海上における警備行動は、自衛隊法の第82条に基づく。発令要件として「海上における人命若しくは財産の保護」ということになっている。この「海上における人命若しくは財産の保護」は、基本的には日本国民の生命または財産というふうに解釈をされてきている。

薗浦 それはいつの解釈なのか。

防衛省 日本国民の生命または財産の保護ということについては、昭和50年代以降そのような答弁がある。ただ、日本籍船に絶対に限るというわけではないということも、これまでから申し上げている。

薗浦 昭和50年代と今平成21年、自衛隊の海外での活躍ということも念頭に置いて、当時と状況が全く違うという認識はあるか。

防衛省 自衛隊の任務全般について、国際社会の平和と安全に貢献するというような、我が国の防衛とか、我が国の公共の秩序の維持をさらに超えるものというものが出てきたこと、これは我々としても十分認識をしている。

薗浦 環境が変わったというのを十分認識しているのであればそのような運用をしていただきたい。実際に、日本の船舶が、ドイツの船に助けられた。今回の派遣に関し、82条を柔軟に運用する考えはあるか。

防衛省 海上警備行動による保護の対象は、82条の規定の性格から考えて、一定の限界がある。世界じゅうのすべての船舶を、国籍、積み荷にかかわらずすべて保護の対象とするわけにはいかない。他方、実際に保護の対象とならないような船舶でも、現に海賊行為が行われている場面に、自衛隊の海上警備行動に当たっている船が遭遇し、この船舶の危難を救うためにやむを得ない場合には、その場でできる限りのことをするのは、当然だと考えている。

薗浦 今、できる限りのことをすると伺った。あの海域の海賊は、母船から小型の船が出して、船を取り囲む。で、海賊行為をする。一方で、ヘリコプターが近づいてくると逃げると聞いている。武器を使わずとも追い払うことができるケースがある。海賊行為が行われて、外国の船が取り囲まれていた。海上警備行動の中で、ヘリコプターを飛ばしてそれを追い払うということは可能か。やるつもりはあるか。

防衛省 派遣される護衛艦にはヘリコプターを積んでいく。指摘のとおり、ヘリコプターを飛ばすことが、海賊を退散させる上で有効であると言われ、そのようなことを踏まえたものだ。海上警備行動による保護の対象とならないような外国籍船が、現に海賊に襲撃されている場面に遭遇した場合に、例えばヘリコプターをそこに飛ばして状況を確認するとか、他国の艦艇に状況を通報する、そうした事実上の行為は可能であろうと考えている。

薗浦 わが国の船が他国に助けられ、他国の船が襲われても何もしないというのはいかにも情けない話だ。ヘリコプターを飛ばすということを事実行為として考えているということであれば、ぜひやっていただきたい。

浜田防衛大臣 今回の海上警備行動の発令に当たって、我々はありとあらゆることを考えながらやってきた。そういう意味では、指摘のあったヘリコプターについても、これは当然使うべきものは使っていくということだ。
当然、海上自衛官の能力、身体にもかかわる問題で、可能な限りあらゆる権限が付与できればと思っている。

薗浦 アフガンから今回の対象地域となる海域は、海賊のみならず麻薬とか武器弾薬を運ぶ密輸船も跋扈(ばっこ)をしている。新法には、海賊行為をする目的で、凶器を準備して船舶を航行させる行為を取り締まり対象とする規定があるが、麻薬とか武器弾薬を運んでいるような船がこの条文に該当するのか。

内閣官房 凶器を準備して船舶を航行させる行為に関してだが、法律案においては、1、暴行もしくは脅迫を用い、人を抵抗不能の状態に陥れ、航行中の他の船舶を強取し、またはその運航を支配する 2、そのような手法によって船舶内にある財物を強取する、3、人質にする目的で船舶内にある人を略取する、4、人質を使って要求をする。こういうような典型的な4つの海賊行為を行うことを目的として、凶器を準備して船舶を航行させる行為というふうになっている。指摘の場合には、これには該当しない場合が多々あろうと思う。


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